おおにし様より

Q:メタボ教授さんは競馬を始めて何年目でプラスに転じましたか?
資金管理術の項とか見ても年単位でかかるのは察しましたが、目安というのを知りたいです。

A:僕の場合は初年度からプラスでしたが、試行回数が少なく『たまたま勝っただけ』で、2年目はガッツリ負けました。

それ以降も勝ったり負けたりの繰り返しでしたが、7年目あたりから買うレースを絞った事で年単位だとほぼ負けることが無くなります。

競馬を始めたのが20年くらい前の話です。

当時はネットが無い時代で手探り状況でした。

今だと効率的にレベルUPが出来ると思います。

「買うレースを絞る」には「得意レース」と「苦手なレース」を見極める作業が必要です。

現実的な話、競馬を本格的に始めて1年や2年では難しいと思います。

そのため、メタボ教授式資金管理術で書いた通り、少なくとも最初の1年は『負けることが前提』で馬券を買った方がいいです。

自分の得意レース・不得意レースを知るためにあえて「全レースを予想して買う」と成長が早いかもしれませんが、賭ける金額は最小限にして下さい。

僕自身が初心者を指導した経験が無いので「◯年かかる」というのはよく解らないですが、分岐点は
予想した結果『ああ、このレース当たらないわ』と感じて、見送る事が出来るかどうか
だと思います。

それが出来るようにならないと
馬券を買ってもマイナス収支がどんどん増えていくはずです。

最初の1年だと「予想が当たらない原因」までは解らないはずですが、「当たったレースの法則性」は見えてくると思います。

2年目以降も続けると得意レースの形がドンドン増えていくはずです。

まずはそこを目指して下さい。

 

リチャード様より
Q:論理的には説明が付かないが馬券を買う直前に何故か不安にかられた時、どうしますか?(金額を下げる、馬券を買うのを止めるなど)

A:基本的には買う金額を下げます。

馬券を買うのを見送るのは「天候の急変」や「パドックで余程悪く見えた」時です。

本当は不安が出てくれば見送るのが正解だと思いますが、なかなかそこまで自制は難しいと思います。

最終判断はやはりパドックです。

パドックを見て少しでも不安があれば額を下げます。

馬に元気があって(イレこんではない)『これはイケる』と感じた時じゃないと10万以上はBETしません。

 

Q:現地(WINSなども含めて)には行かないのですか?

A:家でグリーンチャンネル+パソコンが一番快適ですのでネット投票中心です。

競馬場は指定席を取れないと快適に予想すら出来ないのでしばらく行っていません。

昔は税金対策で大勝負レースが多くある日はWINSに行っていました。

今住んでいる場所は競馬場やWINSが遠いので、行くのは実家の香川に帰った時くらいです。

ちなみに今のところ税務署からの請求は来ていません。

引っ越す度にPATの口座を作っていて、資金を分散するようにはしています。

本で「口座を複数持つ」事を勧めているのは言うまでもなく税金対策です(書籍で「脱税」とは書けませんので)。

JRAも税務署もお役所仕事なので同姓同名であってもデータ上の関連付けは出来てないと思います(ゆえにマイナンバー法案というのが出来ました)。

マイナンバーと口座が紐付けられたらアウトですが、それまでは大丈夫のはずです。

ただ僕は年間で億単位の払い戻しを受けてないので見逃されているだけかもしれませんが。

 

Q:競馬観戦中に食事はしますか?お酒は当然飲まないと思いますが。

A:競馬は昼休みがあるので食事をします。

障害は一切やらず、新馬も滅多に買いませんし、3Rや6Rも見送った時はかなり時間が開きます。

飲酒競馬は当然やらないです。

若い頃は友達と飲みながら競馬をする事もありましたが、今にして思えば飲酒運転より危険だと思います。

この歳になって泥酔しながら馬券を買ったら1日にトンデモナイ金額を負けそうで怖いです。

 

Q:私は中距離ダート、下級条件(未勝利から1000万)が得意です。メタボさんは雨や注目馬で検討レースをかなり限定されるようですが、得意または苦手と感じるレース条件は有りますか?
私はG1が苦手です。

A:僕もG1が苦手です。
・新聞記者・競馬ファン共に詳しく分析している
・騎手がここぞとばかりに勝負を仕掛けて来るので展開が読みにくい
という理由があります。

条件戦だと新馬が苦手です。

僕は時系列の問題から調教よりもパドックを重視していますが、新馬は将来のG1馬と未勝利で終わる馬が混在して、仕上げも育成牧場によって大きく異なります。

いくら渾身の仕上げでも未勝利馬がG1馬を負かすことはありません。

そのためパドックは新馬に限るとそこまで重要では無いと思います。

また、2歳夏や秋の未勝利は新馬からの変わり身がよく解らず、あまり買いません。

しかし3歳のスーパー未勝利だと先行争いが激しくなったり、バックストレート捲くる馬が多いので予想しやすいです。

あとは夏競馬を苦手としています。
夏競馬は色々と特殊なので、半分諦めている現状です。

同じく障害も色々研究した結果「予想するだけ時間の無駄」だと諦めました。
ただ、今から15年くらい前の話なので今は変わっているかもしれません。

競馬本を出版した事ですし、時間が取れればもう一度本格的に研究しようとは思いますが、期待に応えられるかどうかは微妙です。

コージー様より
Q:斤量について書籍に書いてありませんが、 1キロ差があるとどのくらいのハンデになるのでしょうか?スピードレース、スタミナレースや位置取りレース、あと脚質も関係すると思うのですが。

A:質問に回答する前に斤量とレースパフォーマンスについて大まかな解説をします。

言うまでもなく重ければ重いほど不利になるのは間違いありません。

しかし大事なのは「何処の部分が重くなるか」です。

例えば陸上競技の場合、シューズは軽さが重要ですが、着ている服は重さよりも空気抵抗を生まない事が重要視されます。

ちなみに競馬だと斤量が重くなると騎手のプロテクターや鞍に重りを入れます。

馬の脚に重りをつけるなら+1KGでも結構なハンデとなりますが、騎手が重くなる分は大丈夫のはずです。

馬に負担をかけない乗り方を突き詰めた結果が今のスタイルですから。

 

もう一つ解りやすい例としてモータースポーツを見てみましょう。

バイクレース(MOTOGP)はマシンに最低重量制限があってもライダーには重量補正が無いので軽いライダーほど有利です。

具体的には軽ければ軽いほど加速力が良くなり、ブレーキも効きやすくなります。

加減速がスムーズとなれば、燃費的にも有利です。

ただし、MOTOGPライダーは軽い人ばかりかと言えばそうではありません。

近年で最も軽いのはダニ・ペドロサ選手の身長160CM・体重50KGですが、レジェンドであるバレンティーノ・ロッシ選手は身長182CM・体重67KGです。

子どもと大人くらいの体格差があります。

ロッシ選手はMOTOGPライダーの中でも重い方の部類に入りますが、ペドロサ選手と互角かそれ以上でやれているわけです。

この理由はコーナリング時にあります。

コーナリング時は「体格が大きいほど有利」という側面があるからです。

バイクはコーナー時にマシンを倒し込み、ライダーがイン側に身を乗り出す事で全体の重心を大きく変えています。

この写真はロッシ選手ですが、長い手足を活かして重心を上手く内側に寄せています。

ペドロサ選手のように体が小さくて軽いと重心の変更範囲が狭くて不利です。

このようにバイクレースでは体重が軽いデメリットも存在するので、体格だけでライダーの良し悪しは評価出来ません。

 

競馬においても、重量配分(重心の変更)は重要です。

騎手もコーナー時は曲がる方向に重心を傾けています。

手前を変える時も騎手が重心を変えてアシストしているそうです。

また、最後の直線で追う時は重い騎手の方が馬に力を与えやすいと考えられます。

そのため騎手が斤量を背負う分は馬にとってそこまでマイナスにはならないはずです。

ただし、ジョッキーの体重は重い人でも53KGくらいだと言われています。

そこから先の斤量は重りで調節しているわけです。

これが58KGや59KGとなると5KGも6KGも重りをつける事になります。

馬だと5KGや6KG増えてもそこまで影響は無いと思いますが、騎手がそんな重りを背負えば明らかに動きが鈍るはずです。

我慢して乗る騎手も居れば、一定量を超えたら自分で背負わずに鞍に付ける騎手も居ます。

それについては誰がどうしているかデータが無いのでよく解りません。

長々と書きましたが僕の考え方は
『騎手が自分で背負っても動きに影響がない重さまではあまり影響がない』
『それ以上の斤量は少しづつ影響が出て来る」
と考えています。

具体的には「48KG~55KGあたりまでは少々重くなろうが軽くなろうが変わらない」と思っています。

そのため、スピード指数の斤量補正は注意が必要です。

僕が使っているタイムフィルターも斤量補正をしていますが、例えばハンデ戦で55KG→52KGとなり、出馬表に高い指数が表示されても、斤量補正前の指数に少し寄せて考えています(補正前の指数は馬の名前をクリックすれば見れます)。

一方で、55KG以上の斤量補正は概ね正確だと思っています。

 

あと馬場差については難しい話です。

一般的には不良発表やロンシャンみたいに「時計がかかる馬場」の方が斤量の影響が大きいと言われています。

僕もおそらくその通りだと思いますが、少なくとも中央競馬においてはデータ的な裏付けがありません。

最初に書いた通り、斤量増は加減速による燃料消費量に悪い影響を与えるはずですが、競馬は大きく減速する局面が殆ど無いわけです。

モータースポーツのようにブレーキをかけないと曲がれないようなコーナーがあるなら、斤量差が大きく影響するはずですが、JRAにブレーキングが求められる競馬場はありません。

どのレースも、スタートで加速して、コーナーで少し減速するだけです。

そういった理由で斤量の影響は少ないと考えています。

 

それに関連して、凱旋門賞が「データ上、3歳馬有利なのは斤量の影響が大きい」と考えている人が多い点も解説します。

もちろんその「3.5KG差」が3歳馬有利の原因です。

しかし、重さにより大きなパフォーマンスの差を生むとは考えていません。

近い日程に2.2KG差で出走できる英チャンピオンSがある事も関係しているはずです。

4歳以上の強い馬は凱旋門賞をパスして英チャンピオンSに向かう馬も居ますし、3歳の強い馬は凱旋門が目標になりやすいです。

そういった要因があるので、凱旋門賞は3歳馬有利というデータが出やすくなっています。

ちなみにJRAでの全体データを見る限り、斤量が重ければ重いほど強い馬となり、成績も回収率も優秀です。

芝だと59.5KG以上、ダートだと58.5KG以上だと回収率が一気に落ちますが、そのような斤量を背負う出走馬の大半が「ここが目標ではない」という叩き台的な使われ方となります。

 

以上の事から、一般的な見解である「1KG=0.2秒差」よりかは影響が少ないというのが僕の考えです。

加速力やコーナリング性能が求められるコースだと斤量の影響が少しはあると思いますが、それ以外のコースだと気にしなくてもいいでしょう。

以上が今現在頂いているご質問でした。

質問は専用の問い合わせ窓口よりいつでも受け付けております(ご意見・ご感想でも構いません)。

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