電子書籍版の隠しコンテンツ「CSの競馬予想TVの予想家の特徴や買い時」を加筆修正して紙の書籍版の購入者の方々にも読んで頂くために再掲します。

ちなみに僕のブログ予想は競馬予想TVの初回放送前に公開しているので、記事では一切参考にしていませんが、この番組を見て当日買う馬券を修正することも多いです。

来シーズンは新予想家 が登場する噂ですが、その方々につきましては最低1年は観察してから改めて解説しようと思います。

(新予想家:キムラヨウヘイさん追記しました)

小林弘明さん

予想の買い時、切り時というのは特に考える必要がありません。

近年は安定して回収率100%超えを達成しているため、買い目をそのままコピッても勝ててしまいます。
「メインレース」+「自信の1鞍」の前日予想でここまで達成できるのは本物の証でしょう。

指数についてですが、「ゲートからの実測タイム」と「上がり2Fタイム」を重視しています。
とは言え、過去に出した指数で買い目を決めるわけではありません。
調教を詳しく見て「指数を上げるか・下げるか」を判断したり、指数の連続性を見て「成長中かどうか」まで判断しています。

弱点は殆ど無いのですが、あえて挙げるとすれば「道中が特異な流れになった時の指数」はアテになりません。
上がり補正はしていますが、「スタミナが問われたレース」の方が指数が出やすくなっています。
それと小林さんだけの問題ではありませんが、「位置取りが問われたレース」をきちんと補正している指数は僕が知る限り存在しないです。

あとレースを評価するのに風の向きまで意識していますが、それは特に気にしなくて構いません。
競輪はラインを組んで前方からの風を避けると体力が温存出来ますが、馬は自転車と同じような速度でも質量や出力が大きく異なります。

木が揺れるレベルの強風でなければ影響はないはずです。

また、風の向きも正しいかどうか解りません。
スターターの旗や国旗のなびき方を参考にしているそうですが、風の流れというのは建物や障害物に影響されます。
旗の揺れはスタンドやゲートで角度が変わっている可能性もあるのです。

しかも風量が一定で続いているわけでもありません。

そもそも「競馬は風の影響が大きい」ならば、後ろに居る馬が有利となります(実際はその逆)。

スタートも競輪みたいにゆっくり出るはずです。

とは言え、小林さんが結果を残しているのは事実ですから彼の言っている事は素直に参考にした方がいいと思います。

 

亀谷敬正さん

近年は不振が続いていますが、これは
・同じような血統の馬ばかりになった事
・馬券を買う人だけではなく厩舎関係者まで血統の知識が豊富になり、適性の無いレースを使わなくなった事
といった理由が挙げられます。

亀谷さんは
「クラシックでは走らないサンデー」
「母父サンデー」
「ディープインパクト産駒の取捨選択」
など昔からサンデー系の買い方は上手い予想家です。

一つ買い時を挙げるとすれば、高速馬場になった時だと思います。
近年の日本競馬はスピード化が進み
スタミナが無い血統でも中・長距離をこなすことが多くなりました。

いかにも距離が足りなさそうな馬を推奨した時は期待値が高いです。

あと10年もすれば「サンデーサイレンスのクロス」の馬が多くなるので、亀谷さんはその時に爆発するかもしれません。

 

市丸博司さん

タイムフィルターというスピード指数で予想する人です。
先述したように僕もこの指数を使っています。

指数を見るポイントは何度か解説した通り、「人気馬と人気薄とがどれだけ指数が離れているか」を見て下さい。
指数が10ポイント劣っていたら少々展開が向いても逆転は難しいです。

ここでは更に市丸さんの予想スタイルについて解説します。

市丸さんは指数の高い馬を優先して買いますが、該当のレースと関係ない距離の指数は含みません。
例えば1600Mのレースなら概ね1200Mや2200Mで出した指数を除外します。

しかし、前走から距離が激変して指数を大きく伸ばす馬もいるのが競馬です。
1600Mレースを予想する場合、1400M~2000のレースを沢山使って指数が低いなら見込み薄ですが、使ってないなら望みがあります。

あと近年はパトロールVTRを見るようになりました。
しかし、不利があった馬を「過剰評価」している印象です。

あくまで指数だけ参考にして下さい。

 

水上学さん

「オーソドックス」な血統派です。
亀谷さんとは逆で非サンデー系の馬を本命にした時に回収率が高い傾向にあります。
言い換えればサンデー系の馬を本命にしている時は参考にしなくて構いません。

しかし、サンデーの血を持たない馬はかなり減っています。
近年水上さんは不振過ぎて2CHなどで「逆神」扱いしている書き込みも多いです。
血統から外れた予想をしてドツボにハマるケースも見られます。

とは言え、視聴者は巻き返しに期待しているはずです。

 

高柳誠二さん

スピード指数の精度は小林さんや市丸さんと同等かそれより上と見ています。
ただスピード指数は平均を比べるものではありません。
前走よりどれだけ上げるかです。
そこの部分を煮詰めれば競馬予想TVで3冠を取れるポテンシャルはあります。

以前は「前哨戦のレースレベル」というのを出していて、とても参考になりました。
今は出していないのが残念です。

それと高柳さんはスピード指数だけではなく、血統を見ます。
「牝系を重点的に評価する」という、オリジナリティが高い予想です。

しかし、馬を「極軽系」・「バランス系」・「地力系」と3種類に分類してレース傾向を集計しているのは参考にならないと思います。

仮に「極軽系が有利」の傾向が出たとしましょう。
レース結果で地力系が上位を独占しない限り、「なんとなく当たったように思える」のが、この理論の罠です。

指数はかなり正確だと思いますので、その部分だけ参考にしています。

 

井内利彰さん

馬の適性を見る「調教マトリックス」
馬の調子を見る「調教チャート」
との2本立てで予想しています。

適性を見る調教マトリックスについては正直参考にしていません。
馬の適性は血統の影響が大きいと僕は考えています。

それと近年は外厩で調整する比重が高まったので、トレセンの調教だけで馬の適正を見るのは不可能です。

あと高柳さんの牝系分類と一緒ですが、過去のレースの上位3頭だけ抽出してマトリックスで傾向を分析しても「たまたまそうなった」という可能性が大きく残ります。
「人気より着順を上げた・下げた」とか「指数を上げた・下げた」いうデータを使えばより正確なデータが取れるのですが、そういった改良が見られません。

一方で調教チャートは素晴らしいと思います。
好走時のチャートと異なる調教だった人気馬は軽視した方がいいでしょう。
調教を見るなら井内さんのレベルで分析しないと意味がありません。

個人的には「調教だけで競馬を予想するのは無理」だと思っているので、井内さんの予想に乗ることは無いです。
しかし、調教チャートの評価はかなり参考にしています。

 

太組不二雄さん

馬群マスターって、実は結構いい考え方なのですが、レース中のラップや人気馬の位置取りまで考慮しないと使い物にならないはずです。

僕は予想を参考にしていませんが、馬券の絞り方は真似した方がいいと思います。

 

夏目耕四郎さん

2015-2016シーズンの王者ですが、大変失礼ながらラッキーパンチのようにも見えます。
過去のシーズンは最終週の足切りすらクリア出来てなかったのですが、昨年理論を大幅改良したようには見えません(スピード指数を使いだしたそうで、その分改善されたのかもしれません)。

ただ、理論自体は素晴らしいと思います。
具体的には中盤区間のラップまで分析出来ている点です。
そして「好走したデータのみ取り入れる」という考え方もいいと思います。

ラップ理論の弱点は
「道中引っかかった」
「馬群に包まれて動けなかった」
「コーナーで外外を回らされた」
といった競馬ではよくある要素を反映しにくい事にあります。

好走したレースに限定すれば、
その馬のキャラクターを正確に反映出来るわけです。

では何故彼の予想はこれまで当たらなかったかと申しますと
「レースの想定ラップバランス」
「各馬のラップバランス」
どちらも正確さが求められるからだと思います。
片方でも駄目だと馬券は当たりません。

まずレースの想定ラップバランスですが、これは概ねコースを見て算出しています。
しかし、レースのラップバランスは出走メンバーによって大きく変わるものです。
逃げ・先行馬の中で最も人気がある馬のラップバランスに寄せると正解に近づくはずなのですが、そういった改良が見られません。

一方で各馬の好走ラップバランスにも問題があります。
好走時を抽出するのはいいのですが、好走時のサンプルを平均化しても分散が大きければ適正とかけ離れたバランスが出て来るはずです。
逆に凡走時のラップバランスも出せば馬の特徴がより解ると思いますが、現状そういう予想はしていません。

更にはギャップレートにも問題があります。

今回のレースの推定バランスから各馬がどれだけ離れているかを数値化したものがギャップレートです。
ギャップレート10の馬が2頭居ても、それはあくまで「基準点から10離れている」というだけで、その2頭が必ずしも同じような適性とは限りません。

つまり、ギャップレートの上位の組み合わせの馬券を買ってしまうのはマズイと思います。
軸馬を決めたらヒモは軸馬と似たラップバランスの馬を買うべきです。

理論は素晴らしいと思いますが、使いこなし方の改良が必要だと思いながら見ています。
ギャップレートが3桁ある馬は無条件で軽視してもいいと思いますが、それ以外の部分は参考にしていません。

 

以上が競馬予想TVに出てくる予想家の分析でした。

こういったダメ出しをしましたが、実際の所は「前日予想」で「重賞プラス自信の1鞍」だと結果を残すのは相当難しいです。
僕もブログで全重賞(買い目固定)・前日予想縛りでブログを公開していますが、まあ当たりませんw。
雨が絡んで馬場が変化する状況だと前日予想するのは不可能です。
そのため彼らが下手くそというわけではありませんので、そこはご承知おき願います。

他人の予想を見る時は「参考にすべき部分」と「参考にしない部分」をしっかり分けて、後は当日の馬場状態やパドックを見て買いましょう。
そうすれば勝利に近づきます。

 

追記:キムラヨウヘイさん

予想能力は相当高く、現役バリバリといった感じで、少なくとも平日はパチスロを打って日銭を稼いでいる僕よりかは確実に競馬を勉強しております(・∀・)。

でも回収率的に駄目駄目なのは書籍本編で書いた「馬券の買い方」をやってないからです。

単勝・複勝・ワイドを買ってしまっております。

そういった馬券を買ってしまうと技術介入要素が薄れてしまうのでNGです。

全馬をプロファイルしているのですから、期待値が高そうな馬、期待値が低そうな馬、軸にする馬と一緒に来る可能性が高い馬に分けて

馬連・3連複・3連単を中心に馬券を組み立てれば、キムラさんの実力なら今より格段に回収率が上がると思います。

要は期待値が低そうな馬が解っているのに、それを馬券の買い目に反映してない買い方をしてしまっている状況です。

そのためキムラさんの予想は参考にした方がいいですが、買い方は参考にしない方がいいでしょう。